∈∋∈∋∈∋ 大手だから安心 ∈∋∈∋∈∋
日本には「大手」と言われるハウスメーカーがたくさんあります。
一概に大手と言っても、テレビコマーシャルなどで知名度が高いメーカーと、資本など資金面で豊かなメーカーと、旧財閥系の昔からの大手と、そして大手が資本参入しているメーカーなど、さまざまです。
その「大手」に勤めている営業マンは、そこに籍を置いていると言うことだけで、とても鼻が高いのです。
買う側から見れば営業マンの鼻が高くても何のメリットもありませんが…。
展示場にいらっしゃるお客様との会話の中に、地元の工務店に建築を依頼しようか、それとも大手のメーカーにお願いしようか悩んでいる方が来ると、大手メーカーの営業マンは意気揚々と答えます。
大手メーカー営業マン
「お客様。地元の工務店ではいざという時対応が遅かったり、もしかしたら倒産したりして面倒見てもらうことが出来なくなってしまうかも知れませんよ。その点、当社は大手ですからそのような心配はまったくありません。それに、当社はテレビなどでもコマーシャルをして全国の方に知られていますから、手抜き工事や欠陥住宅をつくるようなことは一切ありません。そんなことをしたら、瞬く間に全国に悪評が飛び交ってしまいます。そのようなことになるのは目に見えていますから、私どものような大手メーカーはうしろ指を差されるような仕事は一切いたしません。家は高価なものです。少しでも安くしようと地元の工務店での建築を検討するのは良くわかりますが、高価だからこそ安心して長くお付き合いの出来る大手メーカーの当社で建てられた方が、将来のことを考えれば安上がりで何かと安心です。」
営業マンは鼻息を荒げてこんなことを言います。
地元の工務店のどこが悪いのかは良く理解できませんが、とにかく大手大手と言って安心させようとします。
確かに地元の工務店と言われるくらいですから、業務範囲は狭く、資金や人手から見ても大手にはかなわないでしょう。
ただ地元の工務店は地域に密着しているところが多く、そういった工務店では地元の評判が一番の広告塔になっています。
ですから、一概に地元の工務店とは言っても、地域の人たちに強く支えられていて、非常に安心できる工務店も少なくないのです。
とはいえ、地域密着を強く宣言している地元の工務店の多くは、必要以上に施工エリアを広げ、仕事不足を補っているのが現状です。
そういう工務店は注意が必要です。
施工範囲が広いので、ひとりの現場監督が受け持つ範囲が異常に広いため、一つ一つの現場管理が行き届かないのです。
目が行き届かなければ、職人は勝手に仕事を進めてしまいますから、あとになって施工ミスや受け入れミスなどのケアレスミスが発生し、それが原因で大きなミスが誘発されるわけです。
ですから、地元の工務店での注意点は、施工範囲と現場監督の人数と現場数をしっかり聞き取り、バランスが悪くないかを判断することが重要です。
わたしの基準として、
『施工範囲は自動車で60分以内に到着するエリア』
『現場監督の人数は営業マンの人数と同数』
『現場数はひとりの現場監督が同時に管理する最大数が8棟』
と、言ったところです。大手ならともかく、地元の工務店の規模ならこのくらいにしておかないと、スタッフの息が続かなくなり品質も落ちてしまいます。
では大手ハウスメーカーだったらと言うと、ご存じのとおり、大手ハウスメーカーでも最近では倒産したり再生機構を活用したり特別精算したりして、安心の保証など何一つ無いのが現状です。
ただ、これだけマスコミやネットでそういった大手企業の倒産情報が飛び交っているのにもかかわらず、住宅を購入しようと考えている方々が、そのような情報を知らないで該当メーカーに足を運んでいることがとても多いのです。
誤解があるといけませんが、再生機構を活用したり、特別精算をしたからと言って、その住宅メーカーが「悪い!」と言っているわけではありません。そして、そのメーカーが建てる家も「悪い!」と言うことでもありません。
が、どんな事情があれ、裁判所がそのメーカーに対し、負債の減免を認める判決を下したことに違いはなく、ある意味特別扱いをされているメーカなわけです。
そして、特別扱いをしなければならない事情のほとんどが、本業である住宅建築から来るものではなく、過剰な不動産投資や経営判断の誤りなど、いわば泡銭儲けのための失策が原因とされるものが多いのです。
大手であるが故に有り余る豊富な資金も、使い方を誤れば一晩で消えて無くなることもあるでしょう。
大手住宅メーカーが安心などと言うのは過去の話であることを肝に命じて欲しいものです。
どちらにも一長一短がありますが、少なくとも「うちのメーカーは大手だから安心です!」などと言うメーカーは避けるべきでしょう。
その安心が納得できるまでは…。