住宅展示場

書面に残さないことで生じるトラブルがいつまでもなくならない

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住宅メーカーの営業のみならず、どんな業種の営業マンも、今お相手している来場客が、どの程度の購買意欲をもっているかを早い段階で判断するように教育されています。
購買意欲が特にないのに、いつまでも長々と世間話をして人間関係を作ろうと努力しても『無駄である』という見方を多くの会社はするようです。

クロージングで判別

購買意欲が高いか低いかの判断はそれぞれ違いはありますが、その基準を『クロージング』という手段で判別します。
たとえば、
『よろしければ新築を検討されている土地の敷地調査をさせて頂けますか?』
とか、
『間取りプランを無料でお作りいたしますが、いかがしましょうか?』
などといった言葉や手段で、接している方から返ってきた言葉を元に、購買意欲の高さを測るわけです。
その中から、次の段階に進められるような返事をくれた方は、購買意欲の高い「見込み度B以上」のお客さんとして、見込み台帳に書き込まれるます。
この段階まではどんなメーカーも同じようなプロセスを踏んでくるわけですが、購買意欲が高いと判断してから、メーカーごとに大きく変わってきます。

誤解を生む表現

ここからは、そのお客様が自社のお客様になる可能性がグッと上がるわけですから、お客様を勘違いさせるようないい加減なことを言ったり、誤解を生むような曖昧な表現は慎まなくてはならないわけです。
もちろん購買意欲が低くてもそういうことを言うのは好ましくありません。

ところが、必ずと言っていいほど営業マンは勘違いするような言動や誤解するような表現しています。
たとえば

お客さん
「トイレの壁に物入れは付きますか?」

営業マン
「はい、付きますよ」

お客さん
「では、カーテンレールは付きますか?」

営業マン
「大丈夫、付きますよ」

この会話を聞いていれば、誰だってトイレに物入れは付いていて、カーテンレールも付いているのだと思いますよね。
ところが住宅メーカー側はそういう意味での回答ではないのです。

この営業マンはお客さんの質問に対して
「物入れやカーテンレールを付けることが可能です」
という意味での回答をしたのであって、はじめから付いているという意味で答えたのではないのです。
本来なら
「お客様のご希望があればお付けすることが可能ですよ」
と答えれば良いのでしょうが、言葉足らずなのでしょう。

ただし、この営業マンは悪気があってこのような表現をしているわけではないのです。
お互いに都合の良いように解釈しているだけなのです。
しかし、こうなってしまって議論し始めると、どちらか一方が折れなければ話は進まず、後味の悪いものになりかねませんし、なにより憧れの一戸建て住宅を建てようという夢のあふれる話が、つまらないケンカ話になってしまうわけです。
ほんの一例ではありますが、このように表現の仕方やその取り方一つで、お互いがまったく違った結果を期待しているといった事例はたくさんあります。
こういったことで誤解が生じないように、購買意欲が高いと思われるお客様に対しては、すべての約束事や質問事項は『書面に残す』といった行動が必要になるわけです。
書面にさえ残っていれば、都合の良い話とか悪い話とかは無くなり、物事もスムーズに進むわけですから、住宅メーカーはこの『書面に残す』ことをドンドン推奨すればいいわけです。
ただ、実際の現場では、なかなか上手に運用できていないのが実態です。
すべての打ち合わせで書面に残すというのは結構難しいことなのです。

とは言っても、面談や電話で話したことや質問などに対し、書面にてその時話した内容をしっかりと記録しないような住宅メーカーは、あとあと必ず「言ってない…聞いてない…」の議論になることは間違いありません。

住宅メーカーに対しては、必ず書面で残すようにお願いすることはもちろん、ただ記録を残すだけでなく、双方が合意確認した証を共にが保持する書面に記載するようにしておけば、弱者である消費者の大きな味方になることは間違いありません。

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