住宅提案

住まいを建てようと思ったら設計会社や建築士を決めるのが近道

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家を建てようと考えている多くの方は、たぶん一番最初にどの住宅メーカーで建てようかと悩むはず。
そして近くの住宅公園や展示場に足を運び、いろいろな住宅メーカーの営業マンと話をして、金額や仕様などを照らし合わせて最終的に施工をお願いする業者を絞り込んでいくわけです。

でもちょっと待って

家を建てるのは確かに住宅メーカーなのですが、住宅メーカーの仕事は「家を建てようと思っている人に家を売る」ことです。
もう少し噛み砕いて言いますと、
【家を建てたいお客様を見つけて、自社で施工を依頼してもらうようにアピールし、工事請負契約を結んでいただき、下請業者に施工させる】
と言うことです。
つまり、家を建てるのは施工箇所それぞれの「下請業者」です。
では、その「下請業者」は誰の指示で施工するのでしょうか?

それが設計会社・建築士なのです。

つまり、家を建てよう!と考え始めたら、設計会社・建築士を決めるのが一番近道なのです。
しかし、ほとんどの方は設計会社・建築士を住宅メーカーまかせにしているのが現実です。
そうなると、住宅メーカーにコバンザメのようにくっついている設計会社か、もしくは住宅メーカーの社員に設計をお願いしていることになるわけです。

設計費は?

建築本体価格には設計費は含まれていません。
設計費は別なのです。
設計費もメーカーによってまちまちだとは思いますが、どうでしょう「建物価格の3%~5%」が相場ではないでしょうか?
つまり建築本体価格2,000万円の建物では、設計費が60~100万円程度と言うことになります。
住宅メーカーはお客様からこの金額をいただいて、住宅メーカーのコバンザメ設計会社に設計させるわけですが、その額はだいたい15~30万円程度。
残りは住宅メーカーの利益になります。70%を超える高利益率です。
お客様は設計費を60~100万円も払っているのに、実際図面を引いている設計会社は15~30万円分の仕事しかしていない、と言うことなのです。

住宅メーカーは、設計会社や建築士をお客様から持ち込まれることを極端に嫌がります。
断るところも少なくありません。
その理由はこういったピンハネが常態化しているところにもあるのです。
「自社設計施工」と言っている住宅メーカーの中身は、大体このようなものです。

選ぶのは住宅メーカーではなく建築士!

だからこそ、設計会社・建築士は自分たちで探して選んで家を建てるべきなのです。
自分で設計会社を見つけて図面を引いてもらい、建築士に工事監理をしてもらって、住宅メーカーの現場監督に厳しく指示をしてもらった方が良いのです。
60~100万円も払えば、それはそれは建築士は一生懸命やってくれます。
納得いくまで打合せもしてくれます。
出来ることならその建築士に家を施工してくれる会社を選んでもらえば文句ナシ!

あ、でも、依頼する建築士によって値段は違いますからね。
また、構造計算・監理なども入れるとこの倍以上の金額になることもありますので、あくまでも参考程度と理解してください。

家は建築士と建てるもの

住宅メーカーが、お客様指定の設計会社・建築士を嫌がる理由の一つに「工事監理」があるのですが、通常設計は工事を監理する必要があるわけです。
監理とは現場監督や職人に図面通り施工が出来ているかを厳しくチェックしたり、指示や指導を与えたりすることを言います。
住宅メーカーは部外の設計会社から、指示指導をされることを極端に嫌います。
主導権が住宅メーカーから設計会社に移ってしまうので、施工がスムーズに進まなくなる恐れがあるからです。
施主側から見れば、施工がスムーズに進んだほうが良いと思いがちですが、要所要所で行う受入検査や工種検査をスムーズに行うのは好ましくない場合があります。
身内だけで行う自主検査ほど無意味なものはありません。
問題が起きていても、そこで工事を止めてまで問題を改善しようとはしないからです。
部外の設計会社が監理をすれば、自主検査といえども問題を見逃してまで工事を進めようとはしません。
徹底的に改善・是正させた上で次工程に進めさせます。
その分、工期は延びてしまう可能性は大いにありますが、施主側から見れば結果として良い建物になるわけです。

身内の自主検査が生む欠陥住宅

こういった、身内だけで行うずさんな自主検査の積み重ねは、あとあと大きな欠陥住宅の原因となることが考えられるわけです。
住宅メーカーの中には、自社の施工に自信があり、設計会社による監理に対して適切な対応をしているところでは、外部設計会社の持ち込みを嫌がらずに受け入れてくれます。
逆に外部設計会社の持ち込みを拒否する住宅メーカーは、単に利益の減少によるものだけでなく、施工による問題が多く発生している可能性が高いと考えられます。

住宅メーカーの中には、一級建築士事務所を併設しているところがありますが、だからと言って安心してはいけません。
一級建築士が社員にひとりでもいて、申請さえ通ればどんな会社でも一級建築士事務所として構えることが出来るのです。
下手すると、まったく知らない一級建築士から名義を借りて登録している会社もあったりして、いったい何を信用すれば良いのか…。
名義貸しなどもっての外なのに、罰則を強化してもなくならないのは事実。
一時の耐震偽装事件などで、建築士に対する見方が厳しくなったのは確かですが、企業レベルで見れば、建築確認申請に時間がかかるようになった以外は、特に変わっていないように感じます。
所詮行政から見れば欠陥住宅など一過性のものとしか見ていないのでしょう。
悔しい限りです。

いずれにしましても、住宅を建築するなら、まず建築士探しから始めましょう!
それが成功への第一歩になるはずです。
テレビの建築やリフォーム番組を見ても、実際動き回っているのは建築士さんばかりですよね。
住宅メーカーや施工会社が主体になっている事例がほとんど無いのもうなずけます。

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