住宅公園タイプの展示場に来場したお客様が、たった一つの住宅メーカーにしか足を運ばないと言うことはあまりないと思います。
必ず数カ所の展示場を見てパンフレットをいただき、様々な営業マンと話をし、その住宅メーカーの印象を記憶にとどめて、帰路につくわけです。
お客様は夢とカタログをいっぱい詰め込んで帰路につくわけですが、住宅メーカーは、ライバルがひしめき合う戦場に足を踏み入れたお客様の熾烈な争奪戦を始めるわけです。
早速本日来場したお客に電話
『本日は展示場にご来場ありがとうございました。たくさんの展示場を廻られたと思いますが、当社の建物はお気に召していただけましたか?
実は今月中に建築のお申し込みをいただきますと、キャンペーン中につき床暖房と食器洗浄乾燥機をお付けさせていただいておりますが、もし建築を前向きにご検討されていおられるようでしたら、せっかくですからこの機会にお申し込みされたらいかがでしょうか?』
いきなりストレートパンチを浴びせるような内容の電話です。
来場お礼の電話なのか、お客さんをあおる電話なのか分かりません。
たしかに他の住宅メーカーより特典をたくさん付ければ、契約してもらえる確率が高くなるのかも知れませんが、どうもこのやり方はえげつない。
買う側からすれば、たくさんの特典を付けてくれる住宅メーカーのほうが、何も付けてくれない住宅メーカーより良い、と思ってしまうかも知れませんが、果たしてそうでしょうか?
これから買おうとしているのは『家』です。
と同時に『建築という技術』も買うのです。
デパートで既製の服を買うのではありません。
数十万もする手作りのブランド品であっても、所詮は既製品です。
家は既製品ではありません。
手作りの完全オーダーメイドです。
そのようなものを買おうとしているのに、サービス品などの特典で心を動かされてしまうのですか?
サービス品などのエサでお客さんを釣ろうとしているだけなのですよ。
あなたは釣り堀の魚のように、エサで釣られてうれしいのですか?
こういった月内キャンペーンや棟数限定キャンペーンというのは、そもそも期限や数量に切れ目など無いところがほとんど。
ですから、いつまでもやっていますよ。
『今お申し込みいただければ…』とか言ってるけど、本当は『いつお申し込みいただいても…』なのです。
でもそんなことを言えば、購買意欲が下がると考えているのでしょうね。
自社の製品に自信がない証拠です。
とにかく、サービス品などに惑わされないようにすることです。
サービスとは言っても、建物請負価格には絶対に含まれているんです。
購入者にはわからないようにしているだけです。
メーカーが損するようなサービス設定などあり得ないのです。
結局は『無料』より高いものはないのです。